プライバシーマーク事業スタッフ育成

【ケーススタディ】 コンサルティングをパッケージ化して売る方法3 スタッフ育成ノウハウ編

目次

どうやってプライバシーマークとか特殊なコンサルティングのスタッフを育成したのか

これまでプライバシーマークを14日で申請してしまうコンサルティング事業を立ち上げた話をしてきました。
今日もその続きになります。こんな特殊なケースの内容をお話して役に立つ人がいるのか分かりませんが、どの本を探しても同じ内容は決して書いてませんので、役立つ人にとってはこの情報はとっても貴重だと思うので、引き続き書いていきます。

こんな疑問ありませんか?

1.前回の記事でコンサルティング事業はマニュアルを作成して対応した、そのマニュアルはセミナーで他社からもらったものをベースにしたとあったが、そのマニュアルを使う人をどうやって育成したのか?普通に募集して応募が来るとも思えない。
2.スタッフを育成出来るとしても、人を雇うリスクは考えなかったのか?

この記事で学べること

1.どんな特殊な業界でも、うまく工夫することで、他人にうまく仕事を覚えてもらう方法が分かるようになる
2.そもそも育成せずともいきなり高度な仕事をこなすチームを構築する方法が分かるようになる

よくある疑問とかを書きましたが、そもそもそんな疑問すら持たなかったよって方もいらっしゃると思います。まずはケースを分かりやすくするために、普通の会社でコンサルティング事業を立ち上げる場合に、人の育成って所で出てくる問題点を解説してみたいと思います。
その上で、そういった問題点をどうやったら解決出来るのか、僕は解決したのかを書いていきます。そうしたらちょっとは分かりやすくなりますかね?

通常のコンサル事業の育成方法

通常の会社でコンサルティング事業を立ち上げるぞという場合は、メインの商品はそのコンサルタントの品質になってきます。
そのため、まずは採用でハイスペックな人材を採用すること、採用した人材を高品質な研修過程でトレーニングすることで、一人前のコンサルタントに育てていくというステップを通過すると思います。
 あなたが、コンサルティング事業を立ち上げる場合もそういった感じになりますよね?きっと。
 その具体的なステップってこんな感じかと思います。

1.ハイスペック人材を採用する

まずは素質がある人を採用することが大事なので、一流大学の修士を採用するとか、まあ結構な給料払って人材を採用していく訳ですね。高度な人材は取り合いなので本当に採用は大変です。

2.基礎的な研修を行う

採用した、ハイスペックな人材に対して、マニュアルを読んで勉強してもらったり、民間のセミナーに参加してもらうとかして、業務の一連の流れを勉強してもらうことになります。
この基礎的な研修だけで、3ヶ月くらいはあっという間にかかってしまうと思います。

3.シニアコンサルタントと一緒にクライアント同行し学ばせる

ある程度、理論的な学習が完成したら、次は実践での学習ステップに移っていきますので、既にコンサルタントとして活躍している先輩コンサルタントに同行して、いろんなクライアント先に行き、先輩の仕事ぶりを見ながら実体験で学んでいくというステップになると思います。
マニュアルなどでは記載しきれない問題解決方法など、やはり実践から学ぶことはとても大事です。

4.仕事の一部から担当してもらい徐々に範囲を増やす

このように、マニュアルでの学習と実地での学習が終わったハイスペックな人材は、だんだんと一人前として活動するために、業務の一部から任されていくようになります。
具体的には、クライアントのために作成する個人情報取扱マニュアルを自分一人で作ってみるといったステップを辿っていくと思います。

5.6ヶ月や1年くらいかかってやっと一人前になる

こういったいろいろなステップを辿って、やっと一人でクライアントを相手に仕事が出来るようになってくると思います。1年で一人前と書いてしまうと語弊があるかもしれません。ややこしいコンサルティングはいつまでもいろんな問題が出てくるので、都度先輩に相談しないと進まないこともあるので、2年3年たっても、まだおぼつかないってこともあると思うからです。

しかし、このケースの事業の場合はこんな時間はなかった

プライバシーマークのコンサルティング事業は旬の商品だと思っていたので、とにかく早く立ち上げていかないといけないと思ってました。時間をかけていると他社もどんどん参入してくるでしょうし、プライバシーマーク自社かんたん申請マニュアルなんてものが発売されて、コンサル会社の客がごそっと減ることも考えられました。
とにかく早く事業として立ち上げるために考えた方法が以下に説明する方法でした。

僕はこのようにして時間をかけずコンサル事業の立ち上げを実現しました

1.マニュアルで済む部分はとにかくマニュアルで済ませるようにしました。

例えば、どういった個人情報が社内にあるのかを洗い出す作業がありますが、よくありそうな個人情報をチェックリストにしてシートに記載しておいて、アンケートのようにクライアントにチェックしてもらうようにしました。
これで、そもそもコンサルタントがその会社での業務フローを調べて個人情報の種類を特定しなくても、簡単に漏れなくリストアップ出来るようになりました。

2.仕事の内容を徹底的にパーツで分けました。

従来は全部コンサルタントが行っていたものをもっと細分化して、ハイスペックでない人でも作業が出来るようにしました。
最もややこしい部分は外部の専門家に外注することにしました。
具体的にどんなことをやったのか説明して行きましょう。

以下のような3人に一つの業務を細分化して依頼するようにしました
①クライアント先で状況をヒアリング、録音する担当者
②ヒアリング内容を文字に起こし、申請書類を作成
する秘書担当(在宅スタッフ)
③申請書類を最終チェックする行政書士
一つずつどんな役割なのかその内容を見ていきましょう。

① クライアント先で状況をヒアリング、録音する担当者

まずは、お仕事の依頼を受けると、クライアント先に実際に訪問して、クライアントの業務内容や業務フローをヒアリングすることが必要になってきます。
この際に、ヒアリング項目そのものはマニュアルがあるので、大して難しい作業ではありませんが、ヒアリングした内容を文書化していく作業は膨大な時間がかかるものになります。
ヒアリング担当者はボイスレコーダーを持参して、ヒアリング内容を全て録音し、クライアントから頂いた資料などもスキャンする。そこまでの作業をするヒアリング担当者をまずは設けました。この人は社員になります。

② ヒアリング内容を文字に起こし、申請書類を作成

申請書類のひな形そのものは既にマニュアルとして作成していましたので、そのフォーマットにあてはめていくだけではあるのですが、やはりクライアント毎に業務フローなどを書類に落とし込んでいくのはずいぶんと時間のかかる作業になります。
これを社員にやってもらうことになると、その社員は書類作成につきっきりになってしまい案件数もこなせなくなってしまいます。
そこで、ヒアリング内容をテープ録音から文字起こしして、その内容を申請書類に落とし込んでいく部分を外部の在宅SOHOさんにお願いすることにしました。
在宅SOHOさんと言っても、以前は一部上場会社でバリバリに働いておられたが、育児のために退職されたなど、相当なハイスペックな方が多数いらっしゃいました。
むしろ、社員で書類を作成するよりもよっぽど的確な書類を作成していただくことが出来ました。

③ 申請書類を最終チェックする行政書士

このように在宅SOHOさんが膨大な量の書類を作成してくださる訳ですが、やはり申請書類は論理的なステップを追った記述になっている必要があるなど、ある程度法律的な文書である必要がありました。
そういったスタッフを1名でも採用したり育てるというのは至難の技です。
そこで、そういった専門家ということで行政書士さんにお願い出来るのではないかと思い、打診した所、ぜひやってみたいという方が、これまた結構な数見つけることが出来ました。
そこで、最初のヒアリングの録音テープとSOHOさんの作成した申請書類案を行政書士さんに送り、行政書士さんが、チェックし、書類に不足があれば追加で作成して頂いたりするようにお願いしました。
 もちろん、最初のヒアリングした録音テープをまるっと行政書士さんにお渡しして、書類作成をお願いするのも可能だったかと思います。
 しかし、この方法だと、その行政書士さんに1件依頼すると、2週間ほどその案件につきっきりになってしまい、次の案件をお願い出来るまでのタイムラグが出来ることになってしまいます。
 また、依頼する価格も書類をゼロから作成するのではだいぶ工数が上がるため値段も上がったと思います。
 書類のほとんどは在宅で作成するので、その最終チェックと、不足部分の追加くらいだけお願いするというスタンスだったので、早く安くお願い出来たと思います。

以上が、3種類の関係者それぞれが当時担っていた役割になります。
  そして、自分は何をやっていたかというと、販売代理店開拓など営業を中心として販売活動に力を入れていました。

まとめ

以上、いきなりコンサルティング事業を立ち上げる自分のやり方を解説して参りましたが、最後にまとめを記載しておきたいと思います。

1. 人を育成せずとも作業工程を細かく分けて専門化したり、マニュアルなどを工夫することで育成などしなくともややこしい仕事を達成出来るようになる。

一人があれもこれもと出来る、そんな器用な人材を探すのはほぼ不可能です。でも書類作成のエキスパートとか、飛び込み営業のエキスパートとか、何らかの分野のエキスパートを探すのはさほど難しくはありません。そのエキスパートを集めてチームを作り、そのチームでややこしい仕事をこなすように設計するのがポイントだと思います。

2. 難しい仕事はパーツに分けて、それぞれ得意な人に任せることで、いきなり高度な仕事もチーム全体で回すことが出来るようになる

チームのメンバーもエキスパートな分野の作業を行うのはさほど苦にならないと思います。なのでストレスも少なく、報酬額もそんなにいらないということになってきます。外回り営業マンに、いきなりPHPも勉強して、プログラミングも出来るようにっていうのは超ハードル高いと思います。各自の得意な仕事に専念してもらう環境を作ってチームで仕事全体に対応する方がかえって効率的になります。

3.自分は指揮者に徹する

自分は、指揮者だというと、何もしないように聞こえますが、ある意味で全部の事項について浅く広く知っていないといけません。最後の判断は行わないといけないのですから。
ただし、立ち上げ段階ではものすごく大変ですが、仕事が回り始めるとやる仕事もほとんどなくなってくるというのも実情です。

以上、本事業をやっている当時は他社が喉から手が出るほど欲しかったノウハウになります。
今だから公開出来ます。

いろんな場面で活用できるのではないかなと思っています。
あなたのお役に立てれば幸いです。