起業のやり方・方法を3段階で解説

1.この記事の目的

この記事の目的は、読んで頂いた方が0からの起業のやり方・方法が分かるようになることです。

本記事の執筆者ですが、25歳で30万円持って上京し、起業しました。これまでに11以上の事業を立ち上げ、マザーズ上場会社の社長も経験、数億円でのバイアウトも2回経験してきました。

2.事業分野を決める

起業するとなると、まずは「何の事業をするの?」ってことが大事になってきます。

ただし、これは「戦略」に該当する部分で、本当はものすごく大切な部分になってきます。とはいえ、この最初のステップを吟味しすぎると結局おじけづいてしまって何も始まらなかったということになりかねません。

既に城がある場合には、何もしないという選択肢も立派な戦略ですので、ありかもしれませんが、まだ城がない訳ですから、何かしらのアクションを起こさないといけない訳です。何もしないという選択肢はそもそも無い訳です。

 私は、事業分野を決めるにあたって以下の3つのポイントを参考に決められることをおすすめします。

1.継続収益モデルであること

2.粗利8割あること

3.市場のある事業であること

1.継続収益モデルであることですが、毎月の月謝やシステム保守費用など毎月毎月収益がきちんと発生するビジネスモデルになります。Webのビジネスモデルは結構月額制のものが多いので有利です

2.粗利8割あること。ちょっと多いのではないかと思われた方もいらっしゃると思いますが、ベンチャーで無借金で急成長しようと思うと、このくらいの粗利がないといけないと思います。Webの事業は原価がほとんどかかりませんので、粗利8割は当たり前だったりもしますが、リアルな事業(例えば、小物を仕入れてネットで売る)だと粗利は3割程度になったりして、厳しいものが多いです。

3.市場のある事業であること。ベンチャーというと、どうしても全く新しい事業をやるべきじゃないかと思われがちですが、これは逆だと思います。全く新しい事業は世の中に認知されておらず、その事業を世の中に知らしめるにはだいぶ時間がかかってしまいます。これはかなりのパワーが必要になってきます。かっこいいですが、実現は難しいでしょう。僕のおすすめは、ちゃんと既にビジネスモデルとして確立している事業分野で、やり方などをちょっと変えることで費用を半額にしたりするといった工夫が出来ればいいのではないかと思います。既存の価格の8割引きで売ってそれでも8割の粗利が確保出来るようなモデルが思いつけば最高です。

 僕は既存のマンツーマン英会話が40分7000円くらいだったので、それをフィリピン人講師を使って、オンラインで指導する事業を思いつき、30分のマンツーマンで300円程度で提供したところ当たりました。

3つのポイントについて少しふれましたが、このポイントが当てはまる事業だと、要するに小さなリスクで、成功確率が大きく、成功時のレバレッジが大きい事業ということになります。

この段階でバイアウトのイメージまで考えることが出来るとベストです。バイアウトの時点でも収益率が高ければ高い事業評価が付きますので、事業アイデアは多数のケースをいろいろ考えてみた方がいいと思います。

3.事業資金の手当てだけでなく、1.5年分の生活資金の手当て

次に起業するにあたり、事業関連の広告費などの事業資金の手当てだけではなくて、自分自身の生活費がいくらかかるかも考え、その1.5年分くらいは確保してから始めた方がいいと思います。

確保出来ないのであれば、最初は副業として始めれば、生活資金の心配は全くありませんので、おすすめです。

また、最初の段階から気負ってしまって、大々的に勝負に出る方もおられますが、負けないことが大事ですので、最初の広告などもいきなり派手にはやらず、小さな成功を積み重ねて、これなら大丈夫という段階で大きめな広告キャンペーンをした方がいいと思います

次に、プランが狂った時のPLAN Bはいつでも用意しておくことが大事です。おかしい時はすぐ逃げると言い換えることも出来ます。思っていたほど客が集まらないとか、コストがすごくかかるとか、とにかく当初の想定通りにはいかないのが常ではありますが、先を考えてもかなり厳しいと感じたら、一旦撤退してまた別の事業で再起すればいいと思います。レストランなどの事業を始めてしまうと、そんな簡単には変えることが出来ませんが、web関連の事業であれば、簡単でしょう。

そういうこともあって、事業分野としてはweb関連をおすすめします。

4.Webで何かやるのは費用もかからない。まずやってみる

Web関連の事業で何か始めるのであれば、コストもドメインとサーバ代の2000円程度で済む訳ですから、何かしらの事業をすぐにやってみることをおすすめします。

Webの場合は、後での修正も大変簡単ですので、サイトを試しに作って、価格も試しの価格で出してみて、それから世の中の反応を見てみるくらいのスピード感でいいと思います。

 例えばですが、鳥取の観光案内人と鳥取を訪れる外国人観光客のマッチングサイトを作りたいとします。本当ならマッチングするための会員登録やら検索システムが必要になってくると思いますが、システムは後回しにして、観光案内人の紹介文やリストを載せて、連絡を取りたい場合はメール下さいと記載、メールが来ればアナログで観光案内人に連絡するといった程度のやり方でもOKです。

開始後に、やっぱり件数が結構多いから全部自動化するためにシステムを入れようなどと後でいくらでもグレードアップさせていくことが出来ます。

逆に、システムはどんな風にしようかと、最初にシステム内容ばかり気を取られると、結局モチベーションが続かず、事業開始前にぽしゃってしまうことにもなりかねません。

5.他人のふんどしで勝負できるならベスト

通常の事業は最初に立ち上げ費用が結構かかってくるものです。しかしながらスタートアップであれば、立ち上げ費用がゼロの方がいいに越したことはありません。

そんな起業の方法・やり方があるのか?あるんです。

それは、受託開発やコンサルのようにお金をもらって仕事する事業モデルです。

この事業モデルであれば、まずは、仕事を通じて、システム構築を行う、あるいはコンサルの過程でクライアントのために制度を調べることが出来ます。

具体的な例でいえば予約システム開発や助成金申請になります。

お客様からの依頼に応じて予約システムを作れば、半金は前金で頂くことが出来、予約システムを納品しても、同じシステムは別の方にも販売可能なのです。

助成金のコンサル事業においても、助成金申請をお客様のために行う過程で申請書類のフォーマットが出来上がります。このフォーマットは別のお客様でもほとんどの部分が使えるかもしれません。

こういった、お金を頂いて何かのサービスを行い、その仕事の達成過程で得られたノウハウを使って、他人に売っていけるような場合、2度おいしいということになります。

例えばお客様からお金を頂いて予約システムを開発した後に、その予約システムをちょっと変えて、月5000円で予約システムをレンタルするような事業を始めるなど。

もちろん契約上認められないこともありますが、通常のシステム開発案件であれば、そこまで厳しい縛りになることはないでしょう。

但し、自分で最後の責任を持てる範囲で受注した方がいいですよというアドバイスはしておきます。なぜなのかは、次の項目で説明します。

6.システムの受託開発で大変なことに(大失敗事例)

私の身の丈に合わない事業を受注したことで大変なことになってしまったという大失敗事例です。

過去に、化粧品通販会社から通販システムを受注することが出来ました。

電話で注文を受け付けて、配送先や購入商品をシステムに入力し、配送センター側で伝票に印刷するといった良くあるシステムです。

そんな感じのシステムを作ることが出来るかという相談を頂いた時からテンションがあがってしまい、思いつく限りの機能を盛り込んだシステムを提案しました。

具体的には、顧客が最後に購入してから2か月経過していたら、メールを送信するような機能などがありました。

画面の推移や機能の動作などは自分で考えて提案書に盛り込み、そのプログラミング部分は外部のプログラマーにお願いするスタイルでした。

さて、外部のプログラマーにお願いしてから6か月経って、いよいよ納品日でクライアント先の会議室で約束の時間に待っていました。

しかしながら、何の連絡もなくプログラマーが現れることはなく、こちらから電話しても応答もありませんでした。

ミーティングにすっぽかしされてしまったのです。

当初は交通事故かと思いましたが、プログラム作成が間に合わず、そのまますっぽかしたということが後で分かりました。

クライアントもシステムを切り替えていくということで、ずいぶんといろいろ準備を進められており、大変な恥をかくことになってしまいました。

その日は、平謝りに誤り、そこからすぐに他の方を探し機能も大幅縮小したシステムにして頂いた上で納品することになりました。

費用は毎月25万円ほどを10か月払うような契約になっており、それは継続して頂くことが出来ました。(それがないと生活も厳しかった)

ここで学んだ教訓ですが、システム開発は必ず納期が数か月は遅れるということです。

そして、何より自分の身の丈に合わない大きな仕事をいきなり受注することはかえってリスクになるということです。

皆さんもご注意ください。

まとめ